ランドセルは、牛革やコードバンなどの素材を使用しているものもあるので、定期的なお手入れが必要になることがあります。本記事では、ランドセルのお手入れ方法について解説します。
ランドセルのお手入れをする際に必要なものは、タオルと歯ブラシなどのブラシです。タオルはどんなタイプのものでも問題ありません。使い古したタオルで構いませんが、目があまり荒くない素材のほうがランドセルに傷がつきにくいのでおすすめです。
ランドセルは200近いパーツからできていますので、すき間がある部分やパーツとパーツが交差する部分などに、汚れが溜まりやすいです。各パーツが組み合わさっている部分を確認しながら、ブラシで汚れを掃き出しましょう。特に内側の底や、外ポケットのチャック周り、マチの部分などは汚れが溜まりやすいです。
汚れを掃き出したら、濡れタオルで表面やブラシをかけた部分を拭いていきます。汚れが酷い場合は、中性洗剤を水で薄めたものにタオルを浸し、固く絞ってから拭き取ると汚れ落ちがよくなります。洗剤を使用した場合は、もう1回水だけで濡らしたタオルで中性洗剤を落とすように2度拭きしてください。
水拭きが終わったら、仕上げに乾拭きでランドセルについている水滴を拭き取ります。濡れた状態のままにしておくとシミや変色の原因となりますので、必ず乾拭きで仕上げましょう。
ランドセルに使用する革と言えば牛革が定番でしたが、最近は、コードバンや人工革(クラリーノ)を使用しているものも多くなりました。ここでは、それぞれの革素材ごとに基本的なお手入れ方法と、綺麗に長持ちさせるコツなどを紹介していきます。
高級感がある牛革は手入れが大変なイメージがありますが、素材としては丈夫なので毎日少しのお手入れをするだけで、綺麗な状態を保つことができます。 基本的には、毎日表面についたホコリや汚れを乾拭きやブラッシングで拭き取るだけで十分です。週1~2回程度、革用クリーナーで拭き上げ、ツヤを蘇らせる効果がある保革油(クリーム)た防水スプレーなどを塗ることをオススメします。エイジングを楽しめるヌメ革製のランドセルは、あえて防水加工などを施していないため、お手入れ方法については販売メーカーに問合せてみましょう。
牛革は水に弱い性質なので、雨などで濡れてしまったときには、その日のうちに渇いた布でしっかりと水分を拭き取ってあげましょう。 元々撥水加工が施されているものもありますが放置しておくと、水が内側に浸み込んでしまったり、革が硬くなってひびわれの原因になるので注意が必要です。 拭いた後は直射日光は避け、風通しの良い場所でゆっくり乾かしましょう。
牛革の汚れは軽いものであれば、硬く絞った布や乾拭きで落ちますが、水拭きで落ちない汚れに関しては革用クリーナーを使用しましょう。渇いた布や柔らかいブラシなどにクリーナーを少量取り、優しくこすりながら汚れを落とします。クリーナーで汚れを落としたあとは、化学雑巾にワックスを少量つけて全体を磨いておくと効果的です。吸湿性の高い布で仕上げに乾拭きしておきましょう。
日焼け止めや虫よけスプレーは、特に落ちにくい汚れになってしまうのでランドセルを背負った状態で使用するのは避けたほうが良いでしょう。
高級素材であるコードバンのランドセルのお手入れは、一般的な牛革のものと変わりません。渇いた布や柔らかいブラシなどで優しくホコリや汚れを払いましょう。 牛革よりも繊維が細かく耐久性にも優れている上、コードバンを多く取り扱うブランドでは、しっかり加工されていることも多いので、クリームの使用はかえって革を痛める原因になってしまうこともあるので注意しましょう。使用が推奨されている場合には、コードバン専用のものを使用しましょう。
コードバンも牛革同様、水に弱い性質であるため、雨に濡れたときにはよく渇いた柔らかい素材の布で水気をしっかり取りましょう。ただし、早く乾かすためにとドライヤーやスチームアイロンなどを使用することは避けましょう。急激な熱を加えると変形やシワの原因になってしまうので注意しましょう。ストーブや温風ヒーターなどの近くに置くのもオススメできません。なるべく風通しのいい場所に置いて、ゆっくり自然乾燥させましょう。
コードバンは、牛革よりも繊維が細かいため、汚れがついてしまったときに落としにくいという弱点があります。汚れを見つけたらできるだけ早く落とすよう心掛けましょう。外側はもちろん、内側の汚れもこまめにチェックしてくださいね。軽めの汚れであれば、コードバン専用野クリーナーで落ちますが、どうしても汚れが落とせないときには、何度も同じ部分をこすったり、強力な洗剤を使用したりせずにクリーニングに出すことをオススメします。
人工革(クラリーノ)は、劣化に強くお手入れもしやすい素材なので、全ランドセルの7割以上で使用されていますが、長く使えば使うほどヒビ割や塗装剥げ、小傷などが目立ってしまう素材でもあります。間違ったお手入れでも劣化してしまうので注意しましょう。革用のクリーナーはかえって表面の剥がれやひびわれの原因になってしまうので使用は厳禁です。
人工革(クラリーノ)は、表面に耐水性があるため、雨にも強いイメージがありますが、強いのは表面だけで、側面や縫い目から内部に水が入ってしまうと劣化しやすいので、渇いた布で早めに水を拭き取りましょう。拭き取ったあとは、風通しの良い場所での自然乾燥が良いでしょう。ドライヤーやストーブの熱などを当てると変形してしまう可能性がありますので避けましょう。
人工革(クラリーノ)のランドセルの汚れは、軽いものであれば固く絞った布で水拭きするだけでも綺麗になります。水拭きだけでは落ちない場合には、薄めた中性洗剤を使用することができます。拭いたあとは陰干ししておきましょう。ランドセルが濡れてしまうとカビの原因になるので、使用する布はしっかりかたく絞るようにしましょう。内部の汚れも同様の手順で行います。拭き取る前に、ランドセルを傾けてゴミを取り除いておきましょう。
ランドセルの汚れがひどく、自分では落としきれないというときは、ランドセル専門のクリーニングに出すのもひとつの方法です。ランドセルクリーニングは、クリーニング店で提供している場合があります。直接持参するのはもちろん、宅配での受け渡しを行っているところもありますので、状況に応じて問い合わせてみましょう。
雨や水に強いランドセルだと、ランドセルをよい状態に保つことができます。そのほか、ランドセルカバーをつけることも汚れや濡れの防止につながりますので、検討してみるとよいでしょう。
以下のホームページでは、ランドセルの基礎知識や選び方など、さまざまな情報を発信しています。これからランドセルを購入する予定のある人は、ぜひ参考にしてください。